【第61回 気象予報士試験 実技1】問3を徹底解説|低気圧通過位置・風向変化・寒気移流・ドライスロット
こんにちは!今回は第61回 気象予報士試験 実技1 問3を解説します!
今回の問3では、
- 低気圧が観測地点の南側・北側どちらを通過したか
- 風向変化の読み取り
- 暖気移流・寒気移流の判定
- 鉛直風シアー
- ドライスロットによる乾燥域
- ウィンドプロファイラ解析
など、実技試験で頻出の 「風向変化から気圧配置を推定する問題」 が中心となっています。
特に、
- 風向が反時計回り → 南側通過
- 高度とともに反時計回り → 寒気移流
- 低気圧後面 → ドライスロット
は超重要頻出パターンです。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では○○であり、一方B側では△△となっている。」
- 時間変化型:「◯時にはAであったが、△時にはBとなり、AからBへと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意・警戒が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の◇◇hPaで気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
記述式問題の考え方はこちらの記事も参考にしてください!
⇒ 【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
■ 問3(1) 八丈島の南側・北側どちらを通過したか
問題の要点
八丈島で観測された風向変化から、低気圧が島の南側・北側のどちらを通過したかを判断する問題です。
模範解答
通過した側:南側
理由:風向が東から北寄りに反時計回りに変化したため。
◇ 解説
八丈島では、低気圧通過前後に、
東風 → 北寄りの風
へと変化しました。
つまり風向が、
反時計回り
に変化しています。
このような風向変化は、
低気圧が観測地点の南側を通過した
場合に典型的に現れます。
超頻出パターン
- 南側通過 → 風向が反時計回り
- 北側通過 → 風向が時計回り
これは実技試験で何度も出題されています。
なぜこうなるのか?
北半球では、低気圧周辺の風は反時計回りに吹き込みます。
そのため、低気圧が観測地点の南側を通過すると、
- 通過前:東風
- 通過後:北風
へ変化し、結果として反時計回りになります。
記述式解答のポイント:時間変化型
どこで:八丈島付近で
なぜ:風向が東から北寄りへ反時計回りに変化したため
何が起きている:低気圧が八丈島の南側を通過した
■ 問3(1)まとめ
- 風向が反時計回り → 南側通過
- 風向が時計回り → 北側通過
- 低気圧周辺の反時計回り循環をイメージする
■ 問3(2) シアーラインと前線の対応
問題の要点
鉛直風シアー分布から、シアーラインと最も対応する現象を選ぶ問題です。
模範解答
ア(温暖前線)
◇ 解説
図10では、0.7km〜1.0km付近に明瞭なシアーラインがあります。
シアーラインとは、
風向・風速が急変する境界
のことです。
今回のケースでは、
- 数時間継続している
- 広い水平スケールを持つ
- 風向が時計回りに変化
という特徴があります。
これは暖気移流を伴う
温暖前線
の特徴です。
つまずきポイント
ガストフロントと混同しやすいですが、
- ガストフロント:積乱雲由来の小スケール
- 温暖前線:広域・持続的
という違いがあります。
■ 問3(2)まとめ
- シアーラインは風向急変帯
- 今回のシアーラインは温暖前線に対応
- 時計回りの風向変化 → 暖気移流
■ 問3(3) 寒気移流・暖気移流の判定
問題の要点
高度による風向変化から、暖気移流か寒気移流かを判断する問題です。
模範解答
温度移流:寒気移流
理由:風向が上空に向かって反時計回りに変化しているため。
◇ 解説
八丈島上空では、
- 下層:北東風
- 上層:北西風
となっており、
高度とともに反時計回り
に風向が変化しています。
これは、
寒気移流
を意味します。
超重要暗記事項
- 高度とともに時計回り → 暖気移流
- 高度とともに反時計回り → 寒気移流
これは一般知識・実技とも超頻出です。
なぜ寒気移流になるのか?
高度が上がるにつれて北西風成分が強くなるということは、
より冷たい空気が流入
していることを意味します。
そのため寒気移流となります。
記述式解答のポイント:構造型
どこで:八丈島上空で
なぜ:高度とともに風向が反時計回りに変化しているため
何が起きている:寒気移流となっている
■ 問3(3)まとめ
- 高度とともに反時計回り → 寒気移流
- 高度とともに時計回り → 暖気移流
- 風向変化の向きは超重要
■ 問3(4) 上空の乾燥化とドライスロット
問題の要点
八丈島上空が急激に乾燥した理由を説明する問題です。
模範解答
低気圧西側の下降流によって乾燥した空気が、八丈島付近の高度約2km以上の上空まで達したため。
◇ 解説
八丈島上空では、15〜18時頃に高度約2km付近まで急激な乾燥が見られました。
これは、
ドライスロット
によるものです。
ドライスロットとは?
発達した温帯低気圧では、低気圧後面に乾燥した下降流域が形成されます。
これを
ドライスロット
と呼びます。
今回、低気圧は八丈島の南側を通過しました。
その後、八丈島は低気圧後面に入り、
- 下降流
- 乾燥空気
- 北西風
が流入しました。
その結果、
上空約2kmまで乾燥
したのです。
実技試験で超重要
低気圧後面では、
- 下降流
- 乾燥化
- 雲消散
がセットで現れやすいです。
ウィンドプロファイラで何が見えた?
上空エコーが消失していました。
これは、
雲粒・降水粒子がなくなった
ことを意味します。
つまり、大気がかなり乾燥したと判断できます。
記述式解答のポイント:メカニズム型
どこで:八丈島上空約2km付近で
なぜ:低気圧後面の下降流に伴う乾燥空気が流入したため
何が起きている:上空が急激に乾燥した
■ 問3 全体まとめ
- 風向が反時計回り → 南側通過
- シアーラインは温暖前線に対応
- 高度とともに反時計回り → 寒気移流
- 高度とともに時計回り → 暖気移流
- 低気圧後面ではドライスロットが形成される
- 下降流により上空が乾燥する
- ウィンドプロファイラではエコー消失が見られる
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第61回 気象予報士試験 実技1 問3の解説でした!
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